Build Textureでは、PhotoScanのモデルに写真画像を貼り付ける処理を行う。ここで生成したテクスチャーは、3D PDFや、他の三次元アプリケーションにエクスポートする際のUV mapとなる。
「Workflow」-「Build Texture」をクリックする。
Fig.9.1 Build Textureウィンドウ。Mapping modeを適切に選択すること。
Mapping modeの選択:最初はGenericでよい。
Generic:汎用的に使えて便利。Arbitraryでモデルを生成した場合はGenericを使用する。
Adaptive orthophoto:オルソ画像+建物などの側面のテクスチャーも再現したい場合。
Orthophoto:オルソ画像を作成したい場合。
Spherical:円礫のような球形の物体の場合に選択する。
これ以外の選択肢は通常は使わない。
Blending modeの選択:通常はMosaicでよい。
Mosaic:ソースの写真画像から「切り出して」貼り付ける。解像感の高いシャープなテクスチャーとなる。
Average:ソースの写真画像をブレンドして貼り付ける。もっさりとした解像感を持つテクスチャーになる。ソースの写真画像の明暗の差が大きい場合など、Mosaicで貼り付けると一様のテクスチャーにならない場合はAverageを使ってもよい。
Max/Min intensity:通常は使わない。
Fill holes:通常はチェックを入れる。精密なモデルを生成し、穴の有無を検証したい場合などはチェックを外す。ここでいう「holes」とは、モデルの形状が持つ穴ではなく、視差が計算できずにモデルを構築できなかったために生じたFaceの抜け(holes)であることに注意する。
Atlas width/height:モデルに貼り付ける画像(UV map)のサイズを設定する。Widthとheightは同じ値を設定する。デフォルトは2048。推奨は4096(Fig.8.2)、最大で8192を設定する。8192以上の数字を与えても、見た目の解像感はほぼ変わらず、計算時間が長く、表示が遅くなるだけ。逆に、数字を小さくすると粗いテクスチャーとなるが、表示は早くなる。
なお、この数字はPhotoscanや3D PDFにエクスポートするモデルのテクスチャーの画像サイズを決めるものであり、オルソフォトの生成(Export orthophoto)などとは無関係。
Color depth:Standard (24bit)でよい。HDR画像を用意した場合はHDR (96bit)も利用可能。
Fig.9.2 Build Texture処理の結果。Mapping mode: Generic, Blending mode: Mosaic, Fill holes: Checked, Atlas width/height: 4096。Atlas width/heightは4096で十分に解像感の高いテクスチャーが得られる。
Fig.9.3 Build Texture処理の結果。Mapping mode: Generic, Blending mode: Mosaic, Fill holes: Checked, Atlas width/height: 1024。Atlas width/heightを1024まで下げると、かなり粗いテクスチャーになる。ただし、表示は高速になるため、速度の遅いノートPC等で使用する場合や、3D PDFにエクスポートしてメールで添付する場合などには有用な設定となる。
【UV mapとは】
PhotoScanに限らず、3Dモデルを扱うアプリケーションでは、立体モデル(Faceで構成された立体物の表面モデル)と、そこに貼り付けるテクスチャーを別に管理している。UV mapとは、モデルに貼り付けるテクスチャー画像を指す(Fig.9.4)。通常は正方形。
Fig.9.4 UV mapの例。ソフト上ではFig.8.3のように表示される